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俳句/受賞作品
Winning of "Haiku"

『 平成10年・第九回 / 日本伝統俳句協会賞 』
「 工房の四季 」
木暮 陶句郎

早春の風に暖簾を新しく

如月の雪に夕闇透き通る

春光に木立の影の軽かりし

百千鳥森のものみな天に向く

工房に満ちる夜風や遠蛙

若葉雨玻璃の雫の色もまた

五月闇崩れ山雨となりにけり

空の色重く工房暗く梅雨

万緑の端に窯場の基礎を打つ

蛍の照らす木立の濡れてをり

窯の火に歪む空気の中の火蛾

雲走る速さ夕立過ぐ早さ

夕立の抜け殻の雲消えてゆく

壺挽いて轆轤涼しく止まりたる

水打ちて風の生れし窯場かな

夜の扉開けて蜩鳴き止みぬ

窯に火を入れて夜長の始まりし

虫時雨雨に崩れてゆきにけり

銀の風金の風吹く薄原

紅葉する気配に暮れてゆきし森

冷めてゆく窯を包みし十三夜

赤とんぼ空に日溜りありにけり

窯出しを終へたる静寂秋夕焼

工房を灯せば消えし夕紅葉

冬霞山が力を抜きしとき

工房の窓は北向き軒氷柱

工房の底に溜つてゐる寒さ

雪止んですぐ星屑の降つて来る

工房に入らぬ一日雪を掻く

窯焚の火色見つめて去年今年

 

『 第十回 / 花鳥諷詠賞 』
木暮 陶句郎

遊船を見送ってより乗りたがる

 

『 第十回 / 日本伝統俳句協会・全国大会・高松市教育長賞 』
木暮 陶句郎
黴(かび)の靴サラリーマンは遠き過去

 


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