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第22回村上鬼城賞を受賞しました
 村上鬼城顕彰会(会長・松浦幸雄高崎市長)主催の第22回村上鬼城賞と第23回全国俳句大会の表彰式が20日、高崎市文化会館で行われた。村上鬼城賞の正賞に木暮陶句郎(こぐれ・とうくろう)さん(渋川市)、俳句大会最高賞の知事賞に鏡渕和代(かがみぶち・かずよ)さん(神奈川)が選ばれ、松浦市長から賞状が手渡された。
上毛新聞より記事引用 >>
鬼城賞受賞の言葉   木暮 陶句郎
 この度、第二十二回村上鬼城賞「正賞」受賞のお知らせをいただき、嬉しく、一人で祝盃をあげました。飲み過ぎて受賞が夢になってしまうのではと思いつつも酒を注ぐ手が止まりませんでした。そして、今じわじわとこの賞の重さを実感しているところです。
 受賞作「春愁の罅」は陶芸家としての日常を描いたものに加え、私の愛する俳句仲間との句会で生まれた作品が多く収録されています。俳句は、季節の移ろいの中で、人やものとの縁によって生まれるということを、いまさらながら再認識している次第です。
 私が俳句を作り始めたのは三〇歳の時でした。本当にごく自然な形で、俳縁が俳縁を呼び俳句の世界に導いてくれたのです。
 ホトトギス主宰、稲畑汀子先生との出会は若手作家の勉強会「野分会」でのことでした。俳句を始めて僅か二年で地元群馬の先輩から推薦を受け参加を許されました。野分会の東京例会は月に一度。二十名前後で直接、汀子先生の懇切丁寧なご指導をいただくことができるのです。
 「自由に作りなさい。ただ、しっかりとものを観ることを忘れないでね」
 先生は本当に気さくにわかりやすく俳句の本質を教えてくださいました。俳句を難しいものと思いこんでいた私は、目から鱗が落ちる思いでした。以来、俳句にますますのめり込んでいったのは言うまでもありません。同世代の会の仲間とも数え切れない程の句会を重ねてきました。そして、彼らと酒を酌み交わし俳句について熱く語り合った日々は、私の宝物となっています。
 鬼城賞への挑戦は、たしか第十回からだったと思います。数回間が抜けましたが今回で八度目の応募でした。毎年「ホトトギス」「朝日俳壇」「俳句総合誌」などの発表句をまとめる良い機会と考え出し続けてきたのです。応募者の中に「野分会」の仲間の名前があったことも励みになりました。あきらめずに挑戦し続けて来て本当によかったと思います。
 まだまだ諸先輩方には及びませんが句歴を重ねるうちに、今度は私が俳句を教える機会が増えてきました。主宰する「ひろそ火」「レーヴ」「四季の会」「句会ドットコム」の他に、渋川の「彌酔の句会」が中心となって発足した小学生俳句教室の講師。NHK学園、角川俳句通信講座や前橋・高崎カルチャーセンターの講師などの場を与えて頂き、連衆の文学としての俳句の面白さを、どれだけ伝えてゆけるか試行錯誤の日々となっています。
 俳句を通して出会った多くの人々と語り合うことの出来る幸せを噛みしめつつ、第二十二回村上鬼城賞「正賞」受賞者の名に恥じないよう、正しい本物の俳句を伝えてゆく使命に一意専心する覚悟です。
 終わりに鬼城賞の選考にあたられました諸先生方に心より感謝申し上げ、お礼の言葉とさせて頂きます。ありがとうございました。
第二十二回 村上鬼城賞受賞作品 『春愁の罅』 木暮陶句郎
轆轤挽く春の指先躍らせて
陶工の指紋薄れて寒明くる
春愁の罅を持ちたる壺砕く
窯小屋を遠巻きにして囀れる
春昼の窯場掃きゐる女弟子
風吹けば空の錆びゆく竹の秋
黄沙降る廃墟のごとき大都会
花人の濁流となる上野かな
逢ひにゆく夜の春田を横切つて
春愁の少し尾を引く目許かな
焼酎のグラス大きく君映す
ががんぼの銀の脚もつ月夜かな
屑籠のあふれやすくて梅雨探し
夏帯の芯に熱気のこもりたる

外れざる指輪の熱やソーダ水
  金銀の露と朝日と木道と
亜米利加の二百二十日の星条旗
生臭き雨を呼びたる曼珠沙華
終電の窓秋霖の縞模様
かもめ来よ秋の翼を翻し
海猫の刹那の声に深む秋
冬の夜の華やぎといふ偽りに
東京の寒夜沈めてゐるボトル
冬の夜へこのまま落ちてゆきさうな
浮寝鳥青き地球の夢をみて
冬晴に融けゆく悔いも雑踏も
寒禽がまた青空をはね返す
窯始夢二の杜の片隅に
また同じ指ささくれてゐる余寒
強東風にひとりとりのこされてをり





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1998年日本伝統俳句協会賞受賞作
「工房の四季/木暮陶句郎」
<受賞・三十句 他へ>

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